高田歯科医院・西多摩地区 青梅線 羽村の歯科・歯医者・歯周病専門医

西多摩地区 青梅線 羽村の歯科・歯周病専門医 髙田歯科医院 

ご予約 

TEL.042-555-5903  

〒205-0011 東京都羽村市五ノ神1-6-6
メッセージ

歯周病治療に抗菌薬は使いません

 口腔内細菌が原因で起こる歯周病の治療に、抗菌薬の内服は有効でしょうか?
効果はありますが、あくまでも一時的にです。
 歯周病は口腔内常在菌が原因です。成人の誰の口腔内にでも存在します。抗菌薬をもちいて減少させたとしても、また増えてきてしまうのです。
 歯周ポケットという環境があると歯周病菌が増殖し毒素を発生することで歯周病は進行します。抗菌薬の内服と同時に歯周病治療を行うことで、歯周ポケットが改善するかどうか様々な研究がなされてきました。短期的には効果があることが示唆されましたが、1年以上経過を追っていくと抗菌薬を用いないで歯周病治療をおこなった場合と同程度であることが報告されています。
 これについては日本歯周病学会のガイドラインに詳細が載っています。
guideline_perio_antibiotic_2020.pdf

 薬剤耐性(AMR)対策アクションプランをご存知でしょうか?
薬剤耐性(AMR)対策について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
抗菌薬の不正使用による耐性菌増加による問題に対しWHOをはじめとした国際的な対策が始まっています。
 このまま何も対策を取らなければ耐性菌による死者は2050年には悪性腫瘍を上回り死因1位となってしまうと考えられています。耐性菌が増え続けているのもかかわらず新たな抗菌薬の開発は進んでいません。次のパンデミックは薬剤耐性菌によるものであるとも言われています。
  

 そのような背景から、当院においても抗菌薬の使用を見直しています。慢性疾患である歯周病の治療には抗菌薬の内服は用いません。全身疾患をお持ちで歯科治療によって菌血症のリスクを持つ場合に限って処方をします。強い腫れ痛みを伴う急性炎症の場合も処方します。
 歯科ではセフェム系の抗菌薬が多く用いられてきましたが、ペニシリン系を第一選択とします。

 まだまだ改善策はあると思います。また患者さまひとりひとりの希望も踏まえながら抗菌薬のより良い使用法を模索していこうと思います。



緊急事態宣言が再発令されました

1月7日政府より緊急事態宣言が再発令されました。
当院においては、これまで通り感染対策を徹底しながら診療を継続していきます。

昨年の第1・2波のデータから、以下のような見解が得られています。

①歯科治療による新型コロナウイルスの感染報告が見当たらない。

 ・実際に新型コロナウイルス感染者が受診した(後に感染が判明した例も
  含む)歯科医院においても感染者がでていない
  という報告がいくつかあります。

②歯科医師・スタッフの新型コロナウイルス感染率は少ない。

 ・国内における抗体検査から医療従事者において最も陽性率が低い
 ・米国における歯科医師の感染者は1%程度で米国民の1/10程度
  といった報告があります。

③口腔内の状態は、さまざまなウイルス感染症に対する免疫に関与する。

 ・口腔清掃状態が悪いとインフルエンザに罹りやすい
 ・歯周病が全身の健康状態を低下させる
 ・口腔内細菌と腸内細菌(免疫に深く関与)はお互いに関与しあっている
 ・新型コロナウイルスの重症者の血液中には細菌や細菌由来の毒素(LPS)
  が多く含まれている(口腔内の由来かどうかはわかっていません)
  といった報告があります。

もちろん、ご来院時に体調がすぐれない場合は無理されずにご予約変更をお願いしますね。
また、新型コロナウイルス感染症と診断され自宅療養されている方、濃厚接触者とされている方はご来院をお控え頂きますようお願い申し上げます。

2021年も皆様における口腔内の健康維持から、このパンデミックを乗り越えるお手伝いができれば幸いです。

緊急事態宣言発令期間における急患対応の内容から、今後に備えておくべきことを考える

4月7日~5月26日まで1ヶ月半以上に渡り緊急事態宣言が発令されました。
この間に痛みなどの急な症状によってご来院された患者様のうち、定期的メインテナンスに通われていない患者様の割合はメインテナンスに通われてきた患者さまの2倍でした。
症状の割合は、痛み43%、脱離30%、腫れ10%、義歯のトラブル10%、その他7%でした。
改めてメインテナンスの重要性を認識させられました。

また、この期間におけるプラークコントロールが良好な患者様の急患来院は、口腔粘膜の悪性新生物を心配されて来院された1例だけでした。このことは、ご自身でのセルフケアが重要であることを再認識させられるものであります。

さらに、お口の中全体の精密検査(歯科ドック)を行い治療計画を立案した上で行った治療では、治療中の仮歯脱離が1例だけでした。このことも、きちんとした治療計画のもとに行った(OR行っている)治療は良好な状態が維持できる、ということを意味しております。

以上のことから今後備えておくべきことは、
①メインテナンスの継続
②セルフケアの充実
③口腔内における悪性新生物疑いの早期診断
④お口の中全体の精密検査(歯科ドック)を行った上で治療計画を立案する
になると思います。

皆様の今後の備えに精一杯対応していきたいと思います。

2020年6月6日

新型コロナウイルスの感染拡大における歯科医療の長期的役割りについて

新型コロナウイルスの感染拡大における歯科医療の長期的役割りについて現在の考えをまとめてみました。

①日本と世界の現状

感染拡大を評価する指標として実効再生産数(ひとりの患者が何人に感染させているか)があります。現在、日本0.7、東京0.5(4月10日時点 専門家会議5月1日発表(1))であり、より感染拡大の大きな欧米各国においても1未満、厳しいロックダウンを行っていないスウェーデンにおいても0.85(スウェーデン公衆衛生庁(2))(いずれも4月末のデータ)と概ね収束に向かっていることは確かであると判断できます。

引用データ

1)https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627254.pdf?fbclid=IwAR2NIcbFLAzFQSO4YE16FcVbCu0PV4-BbbbSa5GCllE7yktEE-Y8FuLmoBk

2)https://www.folkhalsomyndigheten.se/contentassets/4b4dd8c7e15d48d2be744248794d1438/sweden-estimate-of-the-effective-reproduction-number.pdf?fbclid=IwAR2Tt6CpKn5nQIaMScSgByxA8Ixuhg3Lj54V0DldSdiEeKH_2cqTo2Fuktk

②今後の動態予想

各専門家によっていくつかのシナリオが考えられています。

ハーバード大学の研究者によるScience誌に発表された論文「SARS-CoV-2のパンデミック後における感染動態予想」(1)によると、重篤患者への対応力が大幅に増加するか、治療法およびワクチンの確立がなされない限り、
2022年まで断続的なソーシャルディスタンスが必要になる可能性がある。 
また2024年までに再流行の可能性もある。と報告されています。

また、ミネソタ大学の報告(2)においても同様な見解が示され、さらに秋から冬季にかけて再び大きな波が来る可能性も示唆されています。

少なくとも感染拡大の波が2年程度続く可能性があということです。

引用文献

(1)https://science.sciencemag.org/content/early/2020/04/24/science.abb5793?fbclid=IwAR2RwsZe_OfjBgOWmlAjxmk3bWPE3YrXMEIAdW4FDFy5bce94ulBrz2Dyak

(2)https://www.cidrap.umn.edu/sites/default/files/public/downloads/cidrap-covid19-viewpoint-part1_0.pdf

③歯科医療の役割り

そのようなことから感染拡大の波が長期的に断続的に来るのであれば、波の静まっている時期に治療とメインテナンスをしっかりとおこなうことで健康維持に寄与し、次に来る感染流行の波に備える一助となりうる。

と考えております。

現状はまだまだ予断を許されない状況ですので、診療縮小の回復は慎重に行っていきたいと思っています。徹底した感染予防のもと患者さまの密集を避けながらの診療となるため今後も何かとご不便をおかけすることと思いますが、来院される患者さまの安全と健康維持を第一に考えていく次第でございます。

2020年5月9日

ホームページを開設いたしました

当院を歯のことでお悩みの多くの方々に知って頂くためにホームページを開設いたしました。どうぞ御気軽にお問い合わせください。今後共宜しくお願いします。