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〒205-0011 東京都羽村市五ノ神1-6-6このようにマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いることによって患者さまと歯科医との距離も離れて治療することが可能です。これによって我々だけでなく患者さまも安心して治療が受けられると思います。
治療中は口腔外バキュームという強力な吸引器を用いてお口の外で飛沫を吸いこみます。これがあれば口腔内からの飛沫・エアロゾルが周囲に拡散するのを高確率に防ぐことができます。
また、 ラバーダムという治療中のゴムのマスクを使用することもあります。これは古くからある手法なのですが、今回の新型コロナウイルス対策としてとても優秀な方法です。すべての治療に応用できるわけではないのですが、極力この方法をとるようにしています。
新型コロナウイルスの感染拡大における歯科医療の長期的役割りについて現在の考えをまとめてみました。
①日本と世界の現状
感染拡大を評価する指標として実効再生産数(ひとりの患者が何人に感染させているか)があります。現在、日本0.7、東京0.5(4月10日時点 専門家会議5月1日発表(1))であり、より感染拡大の大きな欧米各国においても1未満、厳しいロックダウンを行っていないスウェーデンにおいても0.85(スウェーデン公衆衛生庁(2))(いずれも4月末のデータ)と概ね収束に向かっていることは確かであると判断できます。
引用データ
②今後の動態予想
各専門家によっていくつかのシナリオが考えられています。
ハーバード大学の研究者によるScience誌に発表された論文「SARS-CoV-2のパンデミック後における感染動態予想」(1)によると、重篤患者への対応力が大幅に増加するか、治療法およびワクチンの確立がなされない限り、
2022年まで断続的なソーシャルディスタンスが必要になる可能性がある。
また2024年までに再流行の可能性もある。と報告されています。
また、ミネソタ大学の報告(2)においても同様な見解が示され、さらに秋から冬季にかけて再び大きな波が来る可能性も示唆されています。
少なくとも感染拡大の波が2年程度続く可能性があるということです。
引用文献
(2)https://www.cidrap.umn.edu/sites/default/files/public/downloads/cidrap-covid19-viewpoint-part1_0.pdf
③歯科医療の役割り
そのようなことから感染拡大の波が長期的に断続的に来るのであれば、波の静まっている時期に治療とメインテナンスをしっかりとおこなうことで健康維持に寄与し、次に来る感染流行の波に備える一助となりうる。
と考えております。
現状はまだまだ予断を許されない状況ですので、診療縮小の回復は慎重に行っていきたいと思っています。徹底した感染予防のもと患者さまの密集を避けながらの診療となるため今後も何かとご不便をおかけすることと思いますが、来院される患者さまの安全と健康維持を第一に考えていく次第でございます。
2020年5月9日