高田歯科医院・西多摩地区 青梅線 羽村の歯科・歯医者・歯周病専門医

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学会

歯周病学会と勉強会の週末

日本歯周病学会とスタディーグループ赤坂会に参加して

 9月3日は仙台にて日本歯周病学会学術集会が開催されました。
 コロナ禍になってからはWeb開催での参加でしたが、久々に現地参加してきました。感染対策をしながら人数制限下での開催でした。
 今回わたくしは専門医症例ポスター発表をしました。ポスターの前で質疑応答の時間が設けられているのですが、母校である昭和大学歯周病学教室の先生方や勉強会で知り合った先生方がいらっしゃってくださいました。久々に会えた嬉しさから、学術的なディスカッションよりもお互いの近況報告が中心に時間はあっという間に過ぎ去っていきました。コロナ禍ならではです(笑)。
 翌日9月4日はスタディーグループ赤坂会の例会でした。テーマは赤坂会の得意分野である欠損補綴。顧問の寺西先生によるご講演や若手の先生方の熱気溢れる症例発表であっという間の一日でした。

 この二日間は、私が歯科医師になってからおもに学んできたことをもう一度再考させて貰える時間でした。パンデミックや戦争・政治不信といった社会的変化を経て、いま歯科医院にいらっしゃる患者さんの望みは心身の健康回復・維持が一番であると思います。歯周病と全身疾患の関係性が強いことが科学的に理解されてきた昨今、これからの歯科治療のあり方も変化していくと実感しています。私たちの歯科臨床も科学の進歩に合わせて進化していきたいと思っています。
髙田貴虎

『デンツプライインプラント・ワールドサミットツアー2017』に参加してきました

去る2月18・19日、お台場で開催された『デンツプライインプラント・ワールドサミットツアー2017』に参加してきました。 参加者は1200名以上という超大規模な講演会です。 演者は国内外から世界的に有名な先生方ばかり。内容はインプラントに関する講演会です。 この大会の主催であるデンツプライ・シロナ社は、私も臨床で使っているアストラテックインプラントも扱っています。特に今大会のメインはアストラテックインプラントの新しいシステムである『EV』というシステムのお披露目会になります。 そして、そのメインセッションで講演をしたのは、スタディーグループ赤坂会の顧問・寺西邦彦先生!! 国内では今年夏に発売予定の『EV』をメーカー支給で先がけて使用していましたので、その症例などを発表されました。また、発表後には『Inspiration Talks』というセッション形式で世界的権威であるMichel Norton先生とディスカッションを行いました。  歯周病とインプラント治療の世界的権威であるJan Lindhe先生。日本でもCMに出演しているので歯科医師でなくても知っているかもしれませんね。 今回はインプラント周囲炎に関する講演をされていました。  寺西邦彦先生の講演。大・大・大ホールでの約1000人の前での講演。改めて寺西先生の凄さに感銘を受けました。こんな凄い先生にアドバイスを日常的に受けられる環境にあることの素晴らしさを再確認しました。   スタディーグル―プ赤坂会のメンバーで寺西先生を囲んでの一枚。 インプラントは、近年急速な進歩を遂げてきています。もちろん私はもともと歯周病専門医ですので、『歯を保存する』ということは歯科医師の絶対的使命であると考えています。しかし、歯の欠損回復は残存している歯を守っていく為にとても重要です。そのようなことから、インプラント治療は私の臨床の中で重要なパートを担っています。そしてその進化は必ず患者さま皆様に貢献するはずです。そのために私自身も日々進化し続けようと思います。

アメリカ歯周病学会に参加してきました。

去る9月19~22日に渡り、アメリカ・カルフォルニア州・サンフランシスコにて開催されたアメリカ歯周病学会に参加してきました。 (大会ホームページ http://www.perio.org/meetings/AM2014.htm) (アメリカ歯周病学会のホームページ http://www.perio.org/) 近年における歯周病治療の発展に貢献してきた伝統のある学会であり、今回は100回記念大会ということもあり世界中から多くの参加者が集まりました。 インプラント治療の進歩によって、歯周病の進んだ歯を抜歯せずに残す治療法の進歩はここ数年進んでいなかったのが現状です。しかし、今回の学会でも歯を残す治療法の新しい手法がいくつか紹介されており、世界的にもそのうような傾向にあるようです。 また、歯のみでなくインプラントの歯周病であるインプラント周囲炎の治療法もひとつのテーマとして扱われていました。日本と同様に、治療終了後のインプラントに問題が生じたときの治療法は注目されているようです。 また、審美性の改善を目的としておこなう歯肉退縮に対する歯肉移植術(歯周形成外科)なども注目のセッションとなっていました。この分野に関しては、アメリカ人よりも繊細なヨーロッパや手先の器用な日本人のほうが技術的に進んでいるようです。 今後も海外の学会などに参加し、世界最先端の治療を学んできたいと思っています。 IMG_3188-2 興味深かった講演のひとつ。インプラント治療の長期経過から起きた問題に対し、原因と治療法を会場の参加者にアンケートを取っているところ。スマートフォンの普及でこのような形式も今後は学会の主流になるかもしれないと感じました。もちろん内容も興味深く、骨のエイジングによってインプラントが移動するという内容です。これまで無かった概念なので、今後この分野の研究や報告がなされてくると思います。   10245492_565088430287743_5676033885876307737_n 審美性の改善のための歯周形成外科のセッション。世界的第一人者の Giovanni Zucchelli先生の講演。イタリアの先生らしく、テンションの高い講演でした。並外れた天才的なテクニックは容易に真似するべきではないと感じましたが、他の演者も含めコンセプトから学ぶことは多くありました。 10622802_565088483621071_7998149435157392248_n 日本からポスター発表をされた先生と私の同級生とともに。 10153679_565088516954401_8172633663237526971_n サンフランシスコの市内。

歯周病学会ポスター発表 in岐阜

去る5月23日24日、日本歯周病学会が岐阜にて開催されました。 10306735_510196285776958_2277560911570747441_n 今回は認定医ポスター発表を行ってきました。 重度の歯周病に対して歯周組織再生療法などをおこない歯周病の治癒後、歯周病にて動揺した歯をブリッジにて連結(歯周補綴)し、欠損を義歯にて回復した症例を報告してきました。 重度に進行した歯周病では、残存した歯と入れ歯を支える組織が乏しく、義歯の設計は非常に難しくなります。 歯周病の専門医として、さらに義歯や欠損補綴を得意とする勉強会で鍛錬してきた自身の臨床を表現できたと思います。 大学病院在籍時代から、近年の勉強会で知り合った先輩や後輩方と有意義なディスカッションをさせていただきました。 IMG_0948 発表したケースの一部。歯周病にて動揺した歯をブリッジにて連結し、そこに部分義歯を装着。欠損した前歯はもともと歯周病で骨が吸収しているため、義歯の金属部分を2重に設計し強度と安定性の獲得を図った。 IMG_0950

インプラントを維持に用いた義歯(入れ歯)の症例をWorld Congress of Piezoelectric Bone Surgeryにて発表しました。

去る4月12・13日に千葉の舞浜にてWorld Congress of Piezoelectric Bone Surgeryという国際学会が開催されました。 私は実行委員として運営に参加させて頂き、またポスターセッションの座長も担当させて頂きました。 さらにオーラルプレゼンテーションも行いました。 この学会は国際学会ですので、すべてのプレゼンテーションは英語で行われます。 私もプレゼンテーションと座長を英語で行いましたので、準備から含めてとにかく大変でした(笑)。 今大会のテーマは`Mininally invasive treatment`すなわち「低侵襲治療」です。 私は`Short dental implant supporting an overdenture in the maxilla.`というタイトルで発表しました。 内容はインプラントを義歯(入れ歯)の維持に用いた症例です。通常、骨の中にインプラントを植立するので骨が少ない場合は骨移植などをして増やさないといけません。しかし近年のインプラントの進化によって長さの短いショートインプラントでも成功することが可能となっています。しかしショートインプラントといえども、それなりの骨は必要になってきます。一方で、義歯の維持にインプラントを用いることで、義歯は安定し良く噛めて、また小さく違和感のない義歯にすることが可能となります。この際、インプラントは義歯の下で支えになれば良いだけなので、比較的自由な部位に植立することが可能となります。この2つを組み合わせることによって、ショートインプラントで骨移植など特別な侵襲を加えずに行うことが可能となります。 現在は様々な治療プランのオプションが選択可能となりました。 個々の患者さまの希望に合ったプランを提供していきたいと思います。 1897977_491167071013213_2034730868683304051_n

日本歯周病学会秋季学術大会に参加してきました。

IMG_2627 9月22日(日)に前橋で開催された日本歯周病学会秋季学術大会に参加してきました。 今回の特別講演は「Contemporary concepts in regenerative periodontal therapy」という演題でスイス・ベルン大学のAnton Sculean教授の講演を聴講することができました。再生療法の科学的エビデンスを総括し、そのエビデンスに従ったコンセプトの臨床ケースを見ることができました。 新しい知見としては、EMDを根面に塗布する際に先に根面に血液が付着してしまうとEMDの根面への吸着が阻害されてしまうことを組織学的実験データで示していました。ただ、このようなことは以前より言われていましたし、今回はこれと言って新しい情報は無かった、というのが正直なところです・・・・。 近年のインプラント治療の発展によって、ここ10年くらい歯周病・歯周治療学に大きな変化は起こっていないように思われます。 私が大学の歯周病学教室で臨床・研究に従事していた10年間は、再生療法、歯周形成外科、全身疾患との関連、侵襲性歯周炎の発症メカニズム、細菌検査と抗菌療法などなど、歯周病学は大きな発展を遂げていた時代でした。その後、インプラント治療に世界の感心はシフトしていき、歯周病学を牽引してきた研究者・臨床家もインプラントに関する基礎的・臨床研究などへとテーマは変化していきました。(ですからインプラントに関する重要な研究の多くは歯周病学の分野から発表されています。) そのような事から、最近の歯周病学の話題は私が大学講座に在籍していた時代と大きくは変わっていないのが現状です。 最近ではインプラントの頻用から様々なトラブルがマスコミなどでも取り上げられるようになってきており、再び「歯を残す」ということの重要性が注目されています。 歯周病学はこれからも発展の余地があると私は思っております。クラス3分岐部病変の再生療法、水平性骨吸収に対する再生療法、侵襲性歯周炎の原因と治療方法、咬合性外傷のメカニズム、新しいプラークコントロール方法などなど・・・・・。 基礎的研究に関しては大学などの研究機関に頑張ってもらい、私たち臨床家は日々の臨床でより良い結果を出していくことで歯周病・歯周治療学がより発展していけたらと感じた一日でした。