高田歯科医院・西多摩地区 青梅線 羽村の歯科・歯医者・歯周病専門医

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副院長、髙田貴虎のブログです。
近況を中心に診療内容から趣味まで様々なことをアップさせていただきますので宜しくお願いします。

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当院の歯科衛生士が歯周病学会認定衛生士の資格を取得しました。

 令和6年10月、当院の歯科衛生士が日本歯周病学会認定衛生士の資格を取得しました。これは、日本歯周病学会が認定した「歯周病の治療・予防における衛生士のスペシャリスト」の意味をもちます。( 認定歯科衛生士 | 認定制度 | 会員向けコンテンツ | 日本歯周病学会
  全国で1431名、東京都で259名しか取得していない、歯科衛生士の資格のなかでも最も難しい資格です。 ( 認定歯科衛生士数 | 認定制度 | 会員向けコンテンツ | 日本歯周病学会
 衛生士専門学校を新卒で当院に就職した当時から目指してきて、8年がかりでした。期間はかかりましたが十分に実力がついてからの取得です。
  これで歯周病専門医と認定衛生士の揃った歯科医院になりました。歯周病治療におけるチーム医療をしかっりと行っていきますので今後とも宜しくお願いします。

歯周病菌の検査

歯周病の進行に関わる細菌の種類が明らかになっています。
P. gingivalis
T. forsythensis
T. denticola

という3つの菌は、いわゆる悪玉菌と考えられています。
これらは「レッドコンプレックス」と呼ばれ、この3つの菌が検査で検出されると歯周病が進行状態にあると考えられています。
とくに、 P. gingivalis は 歯周病の進行において中心的な役割を担っています。
P. gingivalis には、遺伝子型(コロナウィルスでいう変異株)が報告されており、2型の P. gingivalis は特に病原性が強い(悪い)と考えられています。

当院においては、お口の中の唾液もしくは歯周ポケット内のプラークを採取し検査センターにPCR検査依頼をしています。
検査結果から歯周病の進行リスクをある程度予想できるので、治療方法の選択やメインテナンス内容と期間の決定に役立ってきます。
歯周病患者さんはもちろん、歯周病を予防していきたい患者さまにもぜひ検査を受けていただきたいと思います。

レッドコンプレックスという歯周病の悪玉菌を検査しています

P. gingivalis の遺伝子型を調べています

腸に到達する歯周病菌を防ぐ


日本歯科医師会が公開しているYouTubeチャンネルで閲覧できる講演です。
以下をクリックするとYouTubeサイトへ移動します。

歯と口の健康シンポジウム2023 ー腸に到達する歯周病菌を防ぐ!歯周病のリスクとオーラルケアー – YouTube


年に一回のシンポジウム講演が公開されました。
腸内細菌と口腔内細菌の関係について、歯科からは大阪大学 予防歯科学・天野 敦雄 教授、医科から内科医・桐村 里紗 先生が ディスカッションしています。

歯科医師や衛生士だけでなく、患者さまにとっても有意義な内容ですので是非一度ご覧になってください。

本当に素晴らしい内容です。内科医の目線から歯周病をどのように解釈されているのかよくわかる内容です。

歯周病が全身疾患の発症を促すことは知られていますが、それは歯周病菌やその毒素が血管を通じて全身を循環することで起こると考えられてきましたが、最近の研究でダイレクトに消化器官を通って腸内を荒らすことがわかってきました。腸内疾患だけでなく、腸内細菌の乱れが全身の健康状態に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。

歯の痛みや咬めないといった訴えの治療が歯科医院の役割りであった時代から、全身の健康維持のための歯科医院へとシフトしていっています。

歯周病菌とたたかう乳酸菌プロバイオティクスのL.ロイテリ菌

 歯周病はお口のなかに常在している細菌がひきおこす病気です。さらに全身のさまざまな病気に関与することがわかってきました。
 また、ヒトの身体にどのような細菌が常在するか解明しようとする「ヒトマイクロバイオームプロジェクト」によって、いわゆる悪玉菌・善玉菌がどういったものか徐々にわかってきました。歯周病菌という悪玉菌が歯周ポケット内で増えると細菌全体の毒性が強まるのです。


 腸内細菌を整える目的で、乳酸菌プロバイオティクスのはいったヨーグルトや飲料をとることは一般的になってきました。乳酸菌プロバイオティクスは善玉菌としてはたらき、悪玉菌の活動を妨げます。

 同じように、口腔内でも一部の乳酸菌プロバイオティクス が歯周病菌のはたらきを妨げることがわかってきました。スウェーデンで昔から研究されてきた 乳酸菌プロバイオティクス であるL.ロイテリ菌は、 腸を整える効果だけでなくアレルギーや骨密度など様々な領域で効果がることが示されてきました。

 そして、このロイテリ菌が歯周病治療の効果を上げることが2013年のヨーロッパ歯周病学会誌(Journal of Clinical Periodontology)に報告されました。この研究やその後の研究からロイテリ菌が歯周病菌の増殖を阻止することが示されています。


 前回のブログで述べたように、抗菌薬は歯周病菌だけでなく善玉菌にも作用してしまいます。さらには耐性菌の出現を引き起こす可能性もあるので現在では歯周病治療では用いません。
 歯周病治療にとってロイテリ菌は抗菌薬より作用はマイルドですが、重篤な副作用がほとんどないと考えられています。また、全身にも良い効果があり、腸内も整えてくれます。
 近年では口腔内細菌と腸内細菌が相互に作用し合っていることがわかってきています。ロイテリ菌は腸内細菌を整えることで歯周病の治癒に作用している可能性もあるかもしれません。
 

 当院ではロイテリ菌を歯周病治療の補助にもちいています。ご興味があれば歯周病専門医までご相談ください。


 


バイオガイア社ロイテリ菌のホームページはこちら⇒ バイオガイアジャパン (biogaia.jp)

歯周病治療に抗菌薬は使いません

 口腔内細菌が原因で起こる歯周病の治療に、抗菌薬の内服は有効でしょうか?
効果はありますが、あくまでも一時的にです。
 歯周病は口腔内常在菌が原因です。成人の誰の口腔内にでも存在します。抗菌薬をもちいて減少させたとしても、また増えてきてしまうのです。
 歯周ポケットという環境があると歯周病菌が増殖し毒素を発生することで歯周病は進行します。抗菌薬の内服と同時に歯周病治療を行うことで、歯周ポケットが改善するかどうか様々な研究がなされてきました。短期的には効果があることが示唆されましたが、1年以上経過を追っていくと抗菌薬を用いないで歯周病治療をおこなった場合と同程度であることが報告されています。
 これについては日本歯周病学会のガイドラインに詳細が載っています。
guideline_perio_antibiotic_2020.pdf

 薬剤耐性(AMR)対策アクションプランをご存知でしょうか?
薬剤耐性(AMR)対策について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
抗菌薬の不正使用による耐性菌増加による問題に対しWHOをはじめとした国際的な対策が始まっています。
 このまま何も対策を取らなければ耐性菌による死者は2050年には悪性腫瘍を上回り死因1位となってしまうと考えられています。耐性菌が増え続けているのもかかわらず新たな抗菌薬の開発は進んでいません。次のパンデミックは薬剤耐性菌によるものであるとも言われています。
  

 そのような背景から、当院においても抗菌薬の使用を見直しています。慢性疾患である歯周病の治療には抗菌薬の内服は用いません。全身疾患をお持ちで歯科治療によって菌血症のリスクを持つ場合に限って処方をします。強い腫れ痛みを伴う急性炎症の場合も処方します。
 歯科ではセフェム系の抗菌薬が多く用いられてきましたが、ペニシリン系を第一選択とします。

 まだまだ改善策はあると思います。また患者さまひとりひとりの希望も踏まえながら抗菌薬のより良い使用法を模索していこうと思います。